
首都高を走行中,深紅に輝く外車を見つけた。
隣りを並走してみると,古いマスタングだった。
初代の直線型フォルムで,50年前のモデルだが
新車のように磨きあげられている。
カッコいいね〜 ♪ しかし昔のクルマやバイクは
どうしてこんなにカッコいいんだろうね?
運転席を見ると,セミアフロで赤い柄のアロハを
着た男性がステアリングを握っている。 おおー. .
乗ってるヤツも似合ってるじゃねえの ♪
でも。なんとなく違和感があり,眺めてるうちに
このマスタング, 窓を全開にして走ってるのだと
気がついた。 . . そうだ。 この時代のアメ車って
エアコンがないんだよ。
気温30度の真夏日である。よく見ると,運転席の
セミアフロは汗だく状態だ。
マスタングとなれば燃費は悪い。当然, 旧車だから
運転性能も低い。 もし壊れたら修理費はバカ高い。
この時期にエアコンの付かない自動車じゃ,隣りに
女は乗らないだろう。
それでも彼はマスタングで走る。古いマスタングで。
カッコつけるってのは,そういうことだ。
私は軽くクラクションを鳴らして,「 Cool!」と
サインを送った。 セミアフロはすぐに意味を理解し,
汗に濡れた笑顔で親指を振ってみせた。
こういうカッコのつけかた,本当のクールビズだよね♪